金商業者の組織再編2

金商業者の組織再編2

2019年2月27日のメルマガからの抜粋です。


二種業者(助言でも運用でも一種でも同じ)が、二種業務を分割する場合、二種業者は、吸収分割と新設分割のうち、吸収分割しか選択できませんが、二種業者から、二種業務を承継する会社は、新設会社でも構いません、という話を前回までにしました。

そして、財務局に対する手続きとしては、新設会社(登記済みであることが必要)が、財務局に対し、二種業者としての登録申請をするところから、開始します。

ちなみに、吸収分割においては、分割会社と承継会社が「分割契約」を結びますが、新設分割においては、まだ、承継する側の会社がないので、分割会社が「分割計画」を立てます。

分割の効力発生日は、吸収分割の場合は、分割契約に定められた効力発生日、新設分割の場合は、設立会社が成立した日です。

さて、ここで、実務的な問題を考えてみます。

二種業者が、二種業務を承継させる相手方が、新設されて、登記されたばかりの空の新設会社だった場合、この新設会社は、実質的に空っぽなのに、二種登録の申請手続を通すことができるでしょうか。

人もいないのに、人的構成要件はどうするのか?申請手続を誰がするのか?

ここで、実務的には、ある技が使えます。

分割会社である二種業者(当然、登録要件を備えています)から、承継会社である新設会社に、人的構成要件を満たした人員をごっそり異動させる計画を立て、財務局に計画通りに行うことを約束して、新設会社の登録申請手続を行うのです。

私は、そうしました。もちろん、財務局には、問題なく申請手続に入ってもらえました。

なお、申請手続を誰がするかですが、法律上、空っぽの新設会社の役員(空っぽでも取締役1名以上は必ずいる)が行うか、そうでなければ、弁護士又は行政書士以外にはできません。例えば、分割会社の担当者が新設会社のために申請手続を行うことは、他人のために行う行政手続きに関する書類作成・書類提出行為になるため、弁護士法又は行政書士法で禁止されています。

新設会社の登録申請手続きにおいて重要なことは、分割までの綿密なスケジュールを立てることです。これが、分割を成功させる鍵です。

財務局も、綿密なスケジュールがないと、登録審査を開始しません(というより、できない)。

二種業者と新設会社の間で締結した分割契約に定められた分割の効力発生日から逆算して、「金商法上の」公告開始日や、人事異動などの社内手続きについて、綿密な計画を立て、財務局に、提出する必要があります。

このため、新設会社の登録申請手続を開始するためには、分割会社の二種業者が、空っぽの新設会社との間で、既に、分割契約を締結していなければなりません。実務的には(金商法の要請ではありませんが)、申請者である空っぽの会社は、スケジュールと分割契約の内容を証した書面(通常は分割契約書)を、財務局に提出します。

更に、実務的には、二種業者は、臨時で、二種業務に関する内部監査か外部監査を受ける必要があります。なぜかというと、(この手続きはあまり知られていませんが)二種業者が、分割により二種業務を承継させる場合、財務局から報告徴取命令を受け、法令違反を一切していないことを確約しなければならないからです。

報告徴取命令に対する虚偽報告は刑事罰の対象です。ですから、念のために、二種業務に関して、臨時で、内部監査又は外部監査を実施する必要があるわけです。


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